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レポート

一般社団法人
未来教育推進機構 
研修会の開催

平成29年12月8日、一般社団法人 未来教育推進機構の幹部及び、職員に向けての勉強会を実施しました。

1. 平成30年度予算(概算要求)及び重点施策について

(1)これまでの安倍政権の動き・成長戦略について

第2次安倍内閣が発足、アベノミクスが発表された。財政と金融と成長戦略について異次元のような対策が実施されている。現在成果は上がっているものの緊急時対応が常態化しているものもある。

2013年から成長戦略が始まり、工程表に基づき各種施策が実施され、PDCAのサイクルのもと推進されている。今目指しているのは、経済財政運営の健全化と改革の両立。2030年には600兆円規模の経済社会を作り、財政も健全化させることを考えている。

第4次生産革命の技術を活用して、国民が豊かで効率のよい生活ができる社会『ソサエティー5.0』の実現を目指している。そのため現在は『経済財政運営と改革の基本方針2017』を進めている。しかし、国債の償還期限時の対応策等の課題を抱えている。

(2)平成30年度予算(概算要求)

毎年7月に基本方針が閣議決定され、各省庁が8月末に概算要求をまとめ財務省に提出する。これを財務省等で検討をしたものが12月末に政府案として発表され、来年の国会で審議され平成30年度予算として決定される。
人件費、 法令等により支出義務が定められた経費等の義務的経費を除く一般的な経費については、10%の経費削減が課されている。

(3)新しい日本のための優先課題推進枠

平成30年度予算においては、予算の重点化を進めるため、「人づくり革命」の実現に向けた人材投資や地域経済・中小企業・サービス業等の生産性向上に資する施策を始め、「経済財政運営と改革の基本方針2017」及び「未来投資戦略2017」(平成29年6月9日閣議決定)等を踏まえた諸課題について、「新しい日本のための優先課題推進枠」が措置されている。
各省庁は10%経費削減後の予算要望額(要望基礎額)に100分の30を乗じた額の範囲内で優先課題推進施策の要望を行うことができる。

2. 各省庁の要求・要望額について

平成30年度の各省庁の要求と要望額について、金額の大きい順に、厚生労働省、総務省、国土交通省、文部科学省、防衛省と続く。各省庁の予算要求・要望額にプラス国債の金額を含めると30年度の予算概算額は約100兆円規模となっている。

3. 主要省庁の予算内容のポイントについて

(1)文部科学省

<基本的考え方>

学ぶ意欲と能力のある全ての子供・若者、社会人が質の高い教育を受け、一人 一人がその能力を最大限伸長できる社会の実現、世界で最もイノベーションに適した国への変革、スポーツ立国・文化芸術立国を目指す。
そのため、「人生100年時代」も見据え、「未来への先行投資」である教育再生、 科学技術イノベーション、スポーツ・文化関連施策に取り組み、「人づくり」を 強力に推進し、誰もが生きがいを持ってその能力を存分に発揮できる「一億総活躍社会」の実現を図る。

人づくり、教育改革に力をいれる。高校までに生きる力をつけさせ、大学でブラッシュアップさせる。学力の3要素として、従来の①知識・技能に加えて、②思考力、判断力、表現力③主体性をもって、多様な人材と協働して学んだり、働く力を身につけさせたい。中央教育審議会や教育再生実行会議での議論を踏まえ、高大接続改革を行う。高等学校改革、大学入学者選抜改革、大学教育改革を行うための予算措置を講じる。そのため、大学も変革を求められ、大学は3つのポリシー(アドミッションポリシー、カリキュラムポリシー、デュプロマポリシー)を明確にする必要がある。入試は生きる力を判断できる方法に変えていく。高校についてもアクティブラーニングをいれた学習要領に変更をしていく。としている。

<UMEDAIとしての対応>
一挙に教育改革が進むかは不明。短期間で大学が変わるのは大変なので、UMEDAIがその部分を補う役割を担うことができる可能性がある。文科省は教育改革のコンセプトを高大接続としているが、UMEDAIでは18歳から28歳の10年間を重視していることから高大社の接続を目指す。

(2)経済産業省

<基本的考え方>
①Connected Industries による社会課題の解決・競争力強化

世界経済は、デジタル化により産業構造が大きく変化。我が国においても、産業や組織を超えて、競争力の源泉たるデータを利活用する基盤を整え、生産性向上、ビジネスモデルの変革等を促す。「Connected Industries」を実現することにより、高齢化、人口減少、エネルギー制約等社会問題を解決し、競争力強化を図る。併せて、リスク要因となるサイバーセキュリティ対策を進めつつ、変革の基盤となる技術開発や人材の発掘育成を進める。
(※Connected Industriesとは、データを介して、企業、消費者などが連携して新たな付加価値を生み出す産業のあり方)

②対外経済政策の展開

ローバル化の進展や、産業構造の変化は、保護主義の台頭といったリスクを顕在化。4つのフロント(日EU・EPA、TPP、日米経済対話、RCEP)を中心に自由で公正な高いレベルのルール形成を行いつつ、新興国を含めた包括的な成長を実現する。こうした世界経済の変化に対応し、中堅・中小企業、農産物の海外展開を支援して、グローバルな成長を地域経済に取り込んでいく。

③産業安全保障の抜本強化

改正外為法も踏まえた機微技術管理への対応強化。災害対応など有事対応を加速する。

④中小企業等による地域未来投資の加速化

デジタル化、グローバル化のなか、地域中核企業の成長を促し、地域経済全体の底上げを図り、経済の好循環を実現する。また、高齢化が進む中小企業での事業承継の加速、IT利活用による生産性向上、女性・高齢者・大企業ミドル人材・外国人等の多様な人材の活躍促進など、中小企業が抱える様々な問題に対応していく。

⑤環境・エネルギー制約の克服と投資拡大

エネルギー基本計画における2030年目標を達成するため、省エネルギーの徹底やエネルギー使用の最適化を図るとともに低炭素エネルギーを最大限導入。同時に省エネ技術等を海外展開。また、エネルギーセキュリティを強化するため国内外での資源確保等を推進する。

⑥福島をはじめとする被災地の復興加速

福島の復興は引き続き経済産業省の最重要課題。廃炉・汚染水対策を着実に実施するとともに原子力災害からの本格復興に向けた取組を推進する。また、引き続き東日本大震災からの復興に取り組む。

<UMEDAIとしての対応>
日本経済社会を取り巻く環境は変化している。こうした環境変化に対応していくためには、産業界や地域経済を支える産業人材の育成が重要。UMEDAIとしても、こうした世の中の変化を踏まえた対応が必要。

(3)厚生労働省

<基本的考え方>

平成30年度予算概算要求では、成長と分配の好循環の拡大に向け、全世代型社会保障の基盤強化をはじめとし、引き続き夢を紡ぐ子育て支援など一億総活躍社会の実現に取り組むとともに、働き方改革や人材投資・生産性向上の取組を推進するため、以下の事項について重点的に取り組む。

①働き方改革の着実な実⾏
  • ・同⼀労働同⼀賃⾦など非正規雇用の処遇改善
  • ・長時間労働の是正や柔軟な働き方がしやすい環境整備
  • ・生産性向上、賃金引上げのための支援
  • ・女性・若者の活躍の推進
  • ・人材投資の強化、人材確保対策の推進
  • ・治療と仕事の両立、障害者・高齢者等の就労支援
②質の高い効率的な保健・医療・介護
  • ・データヘルス改革などのICT化・イノベーションの推進、医療分野等の科学技術の振興
  • ・医療の国際展開・国際保健への貢献
  • ・安心で質の高い医療・介護サービスの確保
  • ・健康増進、がん・肝炎・難病対策
  • ・医薬品・食品の安全の確保
  • ・強靱・安全・持続可能な水道の構築
③全ての人が安心して暮らせる社会に向けた環境づくり
  • ・待機児童の解消に向けた「子育て安心プラン」をはじめとした総合的な子育て支援
  • ・児童福祉法改正を踏まえた児童虐待防止対策の強化・社会的養育の充実
  • ・障害者施策の総合的な推進
  • ・「地域共生社会」の実現に向けた地域づくり
  • ・生活困窮者・生活保護受給者の自律支援
  • ・自殺総合対策の更なる推進

<UMEDAIとしての対応>
一億総活躍社会の実現のため、UMEDAIとしても、働き方改革や女性、海外人材等が活躍できる人材投資・生産性向上等の取組を支援する。

(4)総務省

<基本的考え方>

①「経済財政運営と改革の基本方針2015」で示された「経済・財政再生計画」 を踏まえ、交付団体をはじめ地方の安定的な財政運営に必要となる一般財源の総額について、平成29年度地方財政計画の水準を下回らないよう実質的に同水準を確保。

②地方交付税については、本来の役割が適切に発揮されるよう総額を確保することとし15.9兆円を要求するとともに、交付税率の引上げを事項要求。

③東日本大震災の復旧・復興事業等について、通常収支とは別枠で整理し、地方の所要の事業費及び財源を確実に確保。

(5)国交省

<基本的考え方>

①東日本大震災や熊本地震、九州北部豪雨など災害が頻発する中、切迫する巨大地震等や激甚化する気象災害から国民の生命と財産を守るため、国土強靱化に向けた防災・減災、老朽化対策等は、喫緊の課題となっている。

②「成長と分配の好循環」の拡大に向け、人口減少下においても持続的な経済成長を実現するためには、生産性を向上させるとともに、新たな需要を創出することにより、成長力を高めることが強く求められている。

③アベノミクスの成果が全国津々浦々に浸透するよう、地方創生の推進により地域の活力を高めるとともに、地域の特長を活かした、誰もが過ごしやすい魅力ある地域づくりを進めることが必要。

④こうした認識の下、平成30年度予算においては、「被災地の復旧・復興」、「国民の安全・安心の確保」、「生産性の向上と新需要の創出による成長力の強化」及び「豊かで活力のある地域づくり」に取り組む。

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